第612章 状況を把握する

林田ククは、ふと自信が揺らいで、もう一度藤原深を見た。

「……本当に、あの二人で話し合って決めたの?」

藤原深は笑みを含んだまま言う。

「聞けばいいだろ」

ククはすぐにスマホを取り出し、朝日明美に電話をかけた。

その頃の明美は、神崎遠の家で不安げに爪を噛んでいた。さっき藤原深の悪口を言ったのを、相手に全部聞かれていたのだ。もし根に持たれて、今後の仕事に響いたら――。

そんなことを考えた矢先、着信音がけたたましく鳴り、明美はびくっと肩を跳ねさせた。危うくスマホを放り投げそうになったところを、神崎遠がさっと支え、笑って言う。

「泥棒みたいな反応だな。ククからだよ」

画面に表示され...

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