17話

第17章

その日の夕方、飛行機の中でアリは居眠りしかけていたが、回転式のクラブチェアは眠るには適していなかった。

「少し休まれますか?」リリアンが同情的な目で尋ねた。「まだ数時間かかりますし、エストレアに着くのは朝になりますよ」

「ええ、でもこの椅子では無理ですね」アリは考える前に言ってしまった。母と姉との不和に加え、午後いっぱい買い物をしたことで疲れ果て、今にも倒れそうだった。

リリアンは微笑んだ。「ついてきて」彼女は立ち上がり、後部へ向かった。明らかに自分についてくるよう期待している様子だった。

反論するには疲れすぎていたアリは席を立ち、バッグを手に取り、後に続いた。リリアンはバーとトイ...

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