20話

第20章

アリはグレイソンの腕を取り、彼は彼女の手を優しく叩いて安心させた。それから彼は司祭の方を向いて頷いた。しかし彼女は彼から目を離すことができなかった。彼は彼女より30センチほど背が高く、とても背筋を伸ばして立っており、その姿勢がさらに彼の高さを強調していた。彼には王族として育った者だけが持つ気品が漂っていた。

ヴィッキーは正しかった。彼女はもっと悪い相手にめぐり会うこともあり得たのだ。

アリは司祭の方を向き、時間そのものと同じくらい古い言葉に耳を傾けた。その言葉が彼らを夫婦として結びつけるのだ。その時が来て、アリはためらうことなく「はい、誓います」と言った。どういうわけか、彼女は...

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