4話 - 億万長者の王子に買われて

第4章

グレイソンは翌夜外出したくなかったが、カールトンがパーティーを開いており、彼はそこに出席しなければならなかった。しかし、グレイソンは顔を出してすぐに帰ることを心に誓った。パーティーを開いているのがカールトンでなければ、わざわざ行くこともなかっただろう。だが、彼とカールトンはあまりにも長い間友達だったので、今自分の人生で起きているすべてのことがあっても、彼を失望させるわけにはいかなかった。

グレイソンは昨日一日、自分がディマを殴っていないこと、彼女に触れさえしなかったことを父親に納得させようとし、そして何が起きたのか正確に話した。しかし父親が何を考えようと、グレイソンはもうどうでもよくなっていた。結局のところ、彼は父親のために生きているわけではなかった、たとえ彼が王であっても。グレイソンはこれまで父親のあらゆる望みに屈したことはなく、今さら始めるつもりもなかった。だが、グレイソンは自分が落ち着く時期が来たことには同意した。

グレイソンは家族と元婚約者のドラマには一生分十分すぎるほど経験した。これからは、少し普通の生活を送りたいと思っていた。以前は「普通」という考えが嫌いだったが、今の彼には普通の生活がとても良く思えた。

カールトンはグレイソンがバーに立っているところで彼の背中を叩き、そして肩を握った。「おいおい、そんな憂鬱な顔するなよ！あのあばずれのことは忘れて、楽しもうぜ」

「彼女をそう呼ぶな」彼女がいくつかの言語道断なことをしたとしても、彼は彼女のレベルまで下がるつもりはなかった。

カールトンは彼をしばらく見つめ、それから「ついてこい」と言った。彼はグレイソンが従うことを期待して歩き去った。

カールトンの奇行に付き合う気分ではなかったグレイソンは、そのまま出て行きたい誘惑に駆られたが、代わりにスコッチを一気に飲み干して彼の後を追った。

カールトンは部屋で立ち止まり、長い黒髪の美しい女性二人が彼に寄り添った。「お前が必要としているのは、友よ、忘れるひとときだ」

「本気か？」グレイソンは目を回して、手を振って断った。「帰るよ」

「そう急ぐな」カールトンは女の子の一人のお尻を軽く叩いた。「女の子たち、ちょっと二人きりにしてくれないか？」

もう一人の女性はカールトンの頬から胸にかけて爪先で撫で下ろした。「あなたの言う通りに」と彼女は誘惑的に言って出て行った。もう一人の女性も続いた。そして振り返ってグレイソンにキスを投げかけた。

「お前って時々信じられないよ！」女の子たちが聞こえない距離に行ってから、グレイソンは友人に向かって激しく言った。「今の俺の人生で起きていることすべてがあるのに、こんなことをしなきゃならないのか？」グレイソンは女の子たちの方向に手を振った。

「おいおい！落ち着けよ！」カールトンはバーの周りを歩き、棚からボトルと二つの小さなグラスを取り、注ぎ始めた。「俺はただお前がリラックスして楽しめばいいって言ってるだけだ」カールトンは飲み物の一つを彼の方に押した。

グレイソンはそれを取り、クラブチェアに向かって腰を下ろした。「しばらくはそういう楽しみは十分だと思うよ」

カールトンは自分の飲み物とボトルを持って、グレイソンの向かいの椅子に座った。「お前に必要なものは分かってる—」

グレイソンはニヤリと笑った。「おいおい、また始まった—」

「処女だ！」カールトンは勝ち誇ったように笑った。

「ああ、そうだな！それは頭に穴を開けるようなものだ」グレイソンは飲み物を一気に飲み干し、逃げ出す準備をしていたが、カールトンは彼を止めた。

「いや、待て！話を聞け！」

グレイソンは黙って眉を上げた。

カールトンは少し近づいた。「スノーホワイト・エスコートというサイトを知っているんだが、処女との逢瀬を専門にしているんだ」

グレイソンは頭を振った。「忘れろ。ディマがやったことの後では、もう十分だ」彼は再び立ち去ろうとしたが、カールトンが彼の腕をつかんだ。グレイソンは下を見て、無言で手を今すぐ離せと伝えた...今すぐに。普段はカールトンの冗談が面白いと思っていたが、今は少しも面白くなかった。

カールトンは手を離した。「おい！もし永続的なもの...妻のようなものを探しているなら...」カールトンは目に見えて身を縮めた。「AmericanMateやAnastasiaDateを試してみたらどうだ？スペイン人女性、アジア人女性、インド人女性...何でもある他のサイトもあるぞ」

「俺は一夜限りの関係や売春には興味がない」

「違うんだ、そういうことじゃない！」カールトンは効果を出すために前かがみになった。「これらは評判の良い結婚仲介業者だ。すべて合法だ」

グレイソンは眉を上げた。「デートサービスみたいなものか？」

カールトンは笑った。「ステロイドを打ったデートサービスのようなものだ」彼は椅子の端に腰を掛けた。「俺が言ってるのは、現代の花嫁通販だ」

「花嫁通販？」グレイソンは信じられないという様子で尋ねた。「まだそんなものがあるとは知らなかった」

「今は国際結婚仲介業者と呼ばれているが、本質的にはそうだ」カールトンは肩をすくめた。「少なくとも適切な人を見つけることについて心配する必要はない。彼らがすべてをやってくれる」彼はグレイソンの肩を軽く叩いた。「お前がしなければならないのは、どの人が欲しいかを決めるだけだ」彼は自分にもう一杯注ぎ、グレイソンにも注ごうとしたが、彼は断った。カールトンは背もたれに寄りかかった。「彼らは多くの成功を収めている」

グレイソンは立ち上がった。「まあ、ディマの後では、しばらくはデートも十分だ」

「誰がデートについて言った？俺は結婚について話しているんだ」カールトンも立ち上がった。「ただ考えてみるだけでも。お前が探している答えかもしれないぞ」

グレイソンはニヤリと笑った。「お前は何だ？彼らの勧誘員か？」

「いや、俺じゃない」カールトンは頭を振った。「選べるものがたくさんある中で、俺をすぐに祭壇の近くに連れて行くことはできないだろう」

「お前との友情を見直すべきかもしれないな」グレイソンは平たく言った。冗談を言っていたとしても、半分は本気だった。若い頃、彼らは一緒に多くの冒険をしたが、今はそのライフスタイルが古くなっていた。グレイソンには友人を卒業したことが明らかだった。

カールトンは笑った。「お前は俺を愛してる。俺なしではやっていけないだろう」

グレイソンは頭を振った。「ああ、そうだな」グレイソンはドアに向かった。「また後でな」と彼は肩越しに言って出て行った。

彼は女性たちやその他のパーティー参加者の間を通り抜け、その半分は彼が知らない人たちだったが、自分のメルセデスに向かった。カールトンは明らかに下品なアイデアで頭がおかしかったが、妻を迎える可能性について考えていた。

グレイソンは家に向かって運転しながらその考えを頭から追い出したが、その可能性は何度も忍び寄ってきた。今彼に必要なのは一夜限りの関係ではなかったが、妻を迎えることは別の話だった。