71話

第71章

クリスマスの日の騒ぎが落ち着くと、アリは別の部屋に行き、携帯電話を取り出して姉の番号をダイヤルした。

すぐに電話に出た。「もしもし?」

「ヘンリー!」アリは姉の声を聞いて嬉しくなった。「元気?」

「アリ!」ヘンリーが返した。「どこにいるの?こっちに来てるの?」

アリは姉に見えないとわかっていながらも、首を振った。「ううん。まだエストレアにいるわ」

「あぁ、てっきり...まぁ...何でもないわ」

「どうしたの?」アリは姉に何かあったのかと心配になった。

電話の向こうで沈黙があった。「ヘンリー、医師たちがもっと強い化学療法を使いたいって言ってるけど、そのためには造血幹細胞移植が必要なの...

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