チャプター 73

オリオン

振り返ると、戸口にミッチェルが立っていた。ライアンの小さな肩にそっと手を置き、申し訳なさそうな顔をしている。

「大変申し訳ございません、旦那様」ミッチェルは囁いた。「ライアン坊ちゃまが、先生がいらっしゃっていると聞きつけ、どうしても会いに降りてくるとおっしゃって。私ではどうしても説得できず……」

恐竜のパジャマ――小さな緑のトゲとギョロリとした目玉のついたフードまで完備――を着てそこに立つ息子を見ると、胸の中に温かい何かが広がっていくのを感じた。黒い髪はあちこちにはねていて、その真剣な表情はあまりに真摯で、胸が締め付けられるようだった。

一度だけ、いつものように話をそらしたり...

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