第113章

椎名水緒は居ても立ってもいられず、すぐに藤野拓介に電話をかけた。

「叔父さん! 凪紗姉ちゃんがいなくなったの!」

彼女の声は涙混じりで震えていた。

「姉ちゃんを武田健星のお見舞いに病院まで送ったんだけど、いつまで経っても戻ってこなくて。病室に見に行ったら、武田健星は来てないって言うの! 電話も繋がらないし、絶対に何かあったんだわ!」

藤野拓介の声は冷静だった。

「病院の住所を送ってくれ。すぐに彼女の携帯の最終通話履歴とGPSの位置情報を洗わせる」

電話を切ると、椎名水緒は一刻の猶予もないとばかりに位置情報を送信し、焦燥感に駆られてその場をうろうろと歩き回った。

最悪の事態が次々...

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