第115章

会議が終わると、千鳥凪紗は激しい目眩に襲われた。頭が重く、足元がおぼつかない。

少し顔でも洗って頭を冷やそうと席を立ち、会議室を出た直後のことだ。背後から伸びてきた手に、手首を強く掴まれた。

いつの間に追ってきたのか、そこにいたのは藤野拓介だった。

彼は車椅子には乗っておらず、その長身が彼女をすっぽりと影に覆い隠している。彼が放つ威圧感と、拒絶を許さない強い口調が降ってきた。

「来い」

千鳥凪紗が反応する間もなく、彼は強引に彼女を脇の廊下へと引きずり込んだ。

直後、角の向こうから数人の女性社員の話し声が近づいてくる。

「千鳥凪紗ってば、本当にやり手よね。社長と怪しい関係かと思え...

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