第121章

司会者が進行を進めようとしたその時、鑑定を担当していた専門家が突如としてマイクを掴み、眉間に深い皺を刻んだ。

「待った」

たった一言が、会場全体を一瞬にして静まり返らせた。

専門家はブローチを手に取り、ライトにかざして慎重に観察し始めた。さらにプロ用のルーペを取り出し、幾度となく細部を確認する。その表情は、時間が経つにつれて険しさを増していく。

会場の空気が奇妙な緊張感を帯び始めた。全員の視線がステージ上に釘付けになり、それから探るような、疑うような眼差しが千鳥凪紗へと向けられる。

しばらくして、専門家はブローチを置いた。咳払いを一つしてからマイクに向かい、事務的かつ冷徹な口調で、...

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