第148章

すぐさま二人の使用人が歩み寄り、苦痛に顔を歪める桜山久美を両脇から抱え、部屋の外へと連れ出した。

栗原小里は疲れたようにこめかみを軽く押さえた。千鳥凪紗の元へ歩み寄ると、その表情は申し訳なさと心痛に満ちている。彼女の手を取り、優しく声をかけた。

「凪紗、ごめんなさいね。私がしっかりしていないばかりに、あなたに嫌な思いをさせてしまったわ」

彼女はよく分かっていた。藤野拓介が藤野グループを千鳥凪紗に託したのは、信頼の証であると同時に、一種の試練でもあるのだと。

それなのに、母親である自分が力になるどころか、こんな下らない揉め事を持ち込んで、彼女の足を引っ張ってしまっている。

「お義母様...

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