第168章

 彼は二人の子供の手を引くと、きびすを返して走り出した。

「あいつら誰だ? 知り合いか?」

 梅原慎一は人混みを縫うように走りながら、焦燥しきった様子で羽菜に問いかけた。

 最近、一体どこの誰の恨みを買ったというのか。あんな、見るからにカタギじゃない武闘派の連中を差し向けられるような心当たりなど、記憶のどこを探っても出てこない。

「今そんなこと聞いてる場合?」

 羽菜の表情は張り詰め、冷静に指示を飛ばした。

「真っ直ぐ行かないで。左に曲がって。あっちの方が人が多い」

 梅原慎一の頭の中は真っ白だった。ただ反射的に、彼女の指示に従うことしかできない。

 遊園地は芋洗い状態だ。逃...

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