第215章

上村暁は頬を引きつらせ、しばらくしてようやく感慨深げに呟いた。

「まさに、この母にしてこの子あり、だな」

朝食を済ませると、千鳥凪紗は辰樹を連れて島の散策に出た。

ここのセキュリティは鉄壁だが、景色は驚くほど素晴らしい。潮風と草いきれの混じった清々しい空気が、心を洗ってくれるようだ。

「ママ、ここすごく綺麗だね」

辰樹が彼女の手を握りしめ、物珍しそうに周囲を見回す。

「そうね」

遠くに見える鬱蒼とした森や、木々の間に見え隠れする白い建物を眺めながら、千鳥凪紗の脳裏にふとある考えがよぎった。

すべてが終わったら、子供たちを連れてここで老後を過ごすのも悪くないかもしれない。

争...

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