第224章

藤野拓介は腕の中にいる柔らかい息子のぬくもりを感じながら、傍らで優しい眼差しを向ける妻へ視線を移した。胸の奥がこの上ない充足感で満たされていく。これ以上の幸せなど、我が人生にはもう必要ない。そう思えるほどだった。

彼は得意げに千鳥凪紗へ片眉を上げてみせた。ほら、息子も俺から離れたくないみたいだぞ。その視線は雄弁にそう語っている。

あまりに幼稚で勝ち誇ったようなその態度に、千鳥凪紗は呆れ半分で吹き出し、それ以上彼を追い出すのをやめた。

こうして、親子水入らずの穏やかな朝食の時間が始まった。

高村辰雄は藤野拓介から何らかの指示を受けていたのだろう。運ばれてきた朝食は異常なほど豪華で、妊婦...

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