第30章

男は手下を一瞥した。

「やれ」

スキンヘッドの男の号令とともに、金髪のチンピラが卑猥な笑みを浮かべて手を揉み合わせ、千鳥凪紗にスマホを向けた。

「へへ、兄貴。まずはオープニングから撮りましょうや。この女が絶望する顔、バッチリ収めますからね」

彼は一歩また一歩と距離を詰める。その粘つくような視線は、毒蛇のように千鳥凪紗の肌を這い回った。

「来ないで!」

千鳥凪紗の声が震える。手錠で拘束され、必死に身を引こうとするが、冷たい鉄のベッドの上には逃げ場などなかった。

金髪の男が覆いかぶさってくる。顔が触れそうな距離まで近づき、タバコの臭いと安っぽい香水の混じり合った悪臭が鼻をつき、吐き...

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