第45章

それは疑問形ではなく、断定だった。

柚木文乃は弾かれたように顔を上げ、驚愕の眼差しを彼に向けた。それはまるで、誰にも言えない秘密を暴かれた者の顔だった。

堰を切ったように涙が溢れ出し、切れたネックレスから散らばる真珠のように、音もなく頬を伝い落ちる。

彼女は否定しなかった。ただ声を殺すように唇を固く噛み締め、細い肩を激しく震わせている。

恐怖、悔しさ、そして無力感――抑え込んでいたすべての感情が、この瞬間に決壊したのだ。

彼は彼女を学校まで送り届けた。

「とりあえず、学校に行け」

柚木文乃は反射的に拒絶しようとしたが、彼の瞳に宿る冷徹な光に射すくめられ、言葉を飲み込んだ。

彼...

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