第50章

千鳥司夫は地面から這い上がり、老いた顔をドス赤く変色させ、千鳥凪紗を指差す指をワナワナと震わせた。

「親に向かって何たる態度だ! 気でも狂ったか!」

千鳥凪紗は彼の激昂など歯牙にもかけず、氷のような眼差しで高村美玲と千鳥愛梨を睨みつけた。

「最後にもう一度だけ聞くわ。あれはどこ?」

「だから捨てたって言ってるでしょ!」

千鳥愛梨は父親が味方についたことで再び勢いづき、傲慢に言い放った。

「日本語が分からないの? あんなゴミ、格式ある千鳥家には相応しくないのよ。捨ててやっただけでも感謝してほしいくらいだわ……」

言葉が終わるか終わらないかのうちに、千鳥凪紗は猛然と身を翻し、玄関の...

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