第51章

千鳥凪紗は、梅原徳海の媚びへつらうような顔を一瞥すると、すぐに目の前に積み上げられた悪臭を放つゴミの山へと視線を戻した。

梅原家の態度が急変した理由など、探る気にもなれない。今の彼女にとって唯一重要なのは、母の遺物を取り戻すことだけだった。

「施錠された、古い木箱です」

千鳥凪紗の声は冷ややかで、一切の感情を含んでいなかった。

それを聞くや否や、梅原徳海は即座に部下たちへ厳しい口調で指示を飛ばし、さらにまだ地面に跪いていた梅原慎一の尻を蹴り上げた。

「いつまで這いつくばっている! さっさと千鳥さんの探し物を見つけろ! 見つからなきゃ、今日こそその足をへし折ってやるからな!」

梅原...

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