第62章

その言葉は、今日一日ですり減った千鳥凪紗の心に、温かい奔流となって染み渡った。

目の前の年上女性が見せる偽らざる情愛を前にしては、喉まで出かかった拒絶の言葉も飲み込むしかない。

それは彼女がこれまで経験したことのない感覚だった。憐憫でもなければ、施しでもない。それは溺愛とも呼べる慈しみであり、まるで凪紗がこの世で最も大切にされるべき宝物であるかのように扱われている。抗うことなど到底できず、ただその熱烈な好意を受け入れるほかなかった。

ショッピングモールを出ると、夕日が空を暖かなオレンジ色に染め上げていた。

栗原小里は疲れなど微塵も見せず意気揚々としており、親しげに凪紗の腕を組んできた...

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