第7章

和也視点

配下の幹部たちと会議をしている最中に、電話がかかってきた。普段なら画面に表示された見知らぬ番号は無視するのだが、なぜかその電話に出てしまった。

「星野だ」と、俺はぶっきらぼうに答えた。

『和也、荒生直樹だ。絵里さんが攫われた』

その瞬間、全身の血が凍りつくのを感じた。俺は勢いよく立ち上がり、会議室にいた全員の注意を一瞬で引いた。

「いつだ? 場所は?」低く、危険をはらんだ声で俺は尋ねた。

『あんたのパーティーの駐車場で、二十分前だ。彼女と電話で話している最中に、誰かが「山口様がお会いしたいそうだ」と言うのが聞こえて、その後すぐに電話が切れた』

『山口悠斗!あのクソ...

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