チャプター 1021

同様に、サハラもまた正気を失いかけていた。コニーが正式なダミアン家の当主となり、セーラムが失権したのなら、今の私は一体何者だというの?

たった今、ダミアン家から正式に追放されたなんて! そんなことあり得るはずがない。テヒラが家の評判を地に落とした時、この家を救ったのは私なのに。ダミアン家の名誉を守るために、必死で健全なイメージを築き上げてきたのは私だったはずだ。

私の存在こそが、ダミアン・グループの株価上昇の理由だった。

私こそがダミアン家の真の英雄なのだ。私がダミアン家の「お嬢様」であるべきなのに! コニーをこのまま簡単に行かせるわけにはいかない。

その時、サハラの脳裏に突如としてあ...

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