チャプター 1048

恐ろしいほどの怪力を振るうサハラは、行く手を阻む人々をなぎ倒し、肘で押し退けながら、強引に霊堂へと突き進んでいった。

到着すると、そこには多くの警備が配置されており、コニーとセーラム率いる分家の面々が片側に立ってその様子を窺っていた。

「止まれ! お前たちの霊堂への立ち入りは禁止されている!」

野獣のような形相で、目を血走らせたサハラの姿を認めると、ジョナサンは即座に彼女に注射を打った。すると、彼女は空気が抜けた風船のように全身の力が抜け、数秒のうちにその場へ崩れ落ちた。

人垣が割れると、その向こうにヒルダの姿が見えた。彼女は列の最奥に立ち、霊堂に祀られた先祖の位牌に手を合わせていると...

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