第109章

デリックは驚愕の眼差しでネイサンを見つめた。ネイサンの戦闘能力については熟知していたものの、戦時中の古き良き時代から苦楽を共にしてきた五人の精鋭たちが、これほどあっけなくネイサンの手にかかって倒されるとは、予想だにしていなかったのだ。

ネイサンは冷ややかに睨み返した。「お前がやるか? それとも俺から行こうか?」

デリックはジャケットを脱ぎ捨て、脇へ放った。「私は法的許可が下りる年齢になるとすぐに入隊しました。海兵隊に所属し、士官学校で訓練も受けた。長きにわたる戦いの中で、数多くの強敵とも渡り合ってきました。この戦いで生き残れるかどうかはともかく、降伏するつもりはありません。クレモンさん、私...

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