第174章

その瞬間、バスルームからトイレの流れる音が聞こえてきた。

ヒルダがドアを開けて出てくる。

「どうしたの?」

レックスとシャマエタの視線が、ベッドで唸る男から、バスルームから出てきたばかりのヒルダへ、そして再び二匹の犬たちへと目まぐるしく走った。二人は同時に安堵のため息をつく。

彼女が無事なら、それでいい。

「さっきこそ泥が入ってきて、変なこと言ってきたの。だからベッドに縛り付けておいたわ」とヒルダは説明した。

そして彼女がベッドの方を見ると、丸出しになった尻がすぐに目に入った。

二匹のハスキーがベッドの上で飛び跳ねている。男を食いちぎらんばかりの勢いだ。頭に来た彼女はスリッパを手...

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