第1205章

シャマエタは病院のベッドに横たわり、目を覚ますことはなかった。命に別状はないものの、一日の大半を眠って過ごしている。身動き一つできず、生命維持装置に頼らざるを得ない状態だったが、回復の兆しは緩やかに見えていた。

レックスは深く眠るシャマエタを見つめ、それから手元の婚姻届に視線を落とした。

一瞬、事態が飲み込めなかった。あの時はただ、彼女を守るための口実が欲しかっただけだ。だが、誰もがそれを本気にしたようだ。ピースも、ウィリアムも、そしてシャマエタ自身さえも、それが真実だと信じている。こうして俺は、なし崩し的にシャマエタの夫になってしまった。

まるで夢の中にいるようで、心の準備など何一つで...

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