第127章

しかし、ネイサンの隣に座るヒルダの姿を認めた瞬間、その男の目が輝き、唇に邪悪な笑みが浮かんだ。

彼は歌うのをやめ、ネイサンのテーブルを睨みつけながら怒声を張り上げた。

「おい、そこのてめぇら! そうだよ、隅っこにいるお前らに言ってんだ! なんで俺様に拍手しねぇんだ? 俺が誰だか知らねぇのか? ザイオン・シー様だぞ!」

瞬く間に、店中の視線がネイサンたちに集まった。ザイオンの部下の一人で、眼帯をした男がネイサンの方へと歩み寄ってきた。

眼帯の男は残った片目で彼らを凄まじい形相で睨みつけ、怒鳴った。

「おい! ザイオン様が話しかけてるのが聞こえねぇのか?」

カイルたちの表情が険しくなった。...

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