第1307章

レックスは身に着けていた防弾チョッキを緩め、頭から防爆ヘルメットを取り外した。

彼は真剣な眼差しで、事の成り行きを見守り続けた。

群衆の注視を浴びながら、サミュエルがステージへと歩み出る。

「本当は顔を出したくなんてなかった!」

だが、もしこの場を収拾できなければ、ネイサンが飼い犬のケイターとその子犬たち、あまつさえその孫の代までまとめて、夏休みの間ずっと俺の家に送り込むと言い出したのだ!

ステージに上がったサミュエルの視界に、ジョーダン家の一団に混じって座るテレサと、その隣にいるジリーの姿が入った。

「今日はどうしても、ここにいなければならないんだ」

気を取り直すと、サミュエル...

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