チャプター 181

レックスはソニアの手を取り、中へと向かった。彼が身につけているのは精巧な模造品だったが、正装には違いなく、入場を許可されたのだ。

「ヒルダ、そこでぐずぐずしてなさいよ。私は待たないから。レックスと一緒に先に入って食事をしてるわ!」

ヒルダは、扉の向こうへと消えていくソニアの背中を見つめていた。寒さのせいか、彼女の顔は赤らんでいた。

カルメンは心配するふりをしながら声をかけた。「私、以前着たイブニングドレスなら持っているの。お姉さんに貸してあげましょうか?」

スティーブンソン夫人が鼻で笑った。「カルメン、彼女にあなたのドレスが入るわけないでしょう! サイズも身分も、あなたとは釣り合わない...

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