第二百五十章

レックスと連れの女性がレッドカーペットを歩いてきた。メディアはその女性が誰か分からなかったが、アダムス家とスティーブンソン家の婚約披露宴に招かれる客が、ただの一般人であるはずがない。ましてや、レックスが平凡な相手を連れ歩くわけがないのだ。そう確信した彼らは、必死になってシャッターを切り始めた。

レックスは得意げな笑みを浮かべ、レッドカーペットの上で数秒間立ち止まった。彼はカメラを意識してポーズをとり、連れの女性も彼の手を握りながら、同じようにポーズをとった。

二人はその後、芳名板の前へと進み、それぞれの名前を記した。

モデルのようなその女性が自身の姓を書き記すのを見て、ダニエルは即座に畏敬...

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