チャプター 379

レックスは、あの一発を撃ち込んだことには十分な価値があったと考えていた。「ヘックス」のリーダーを目にした瞬間、軍の墓地に新しく並んだ墓石の列が脳裏をよぎったのだ。かろうじて残っていた理性の欠片がなければ、その場で奴を殺していただろう。今や彼は確信していた。あの一撃は狙い通り、ヘックスのリーダーから生涯にわたって生殖能力を奪うことになるはずだと。

ヒルダは直ちに病院へ搬送された。到着して以来、ネイサンは手術室の前で微動だにせず、彫像のように立ち尽くしていた。

黒いトレンチコートには血の雫が点々と付着している。それはすべてヒルダの血だった。先ほど彼の横に横たわっていた彼女は、まるで壊れてずたず...

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