チャプター 383

移動中、カイルが不意に口を開いた。

「テディ――以前、ヒルダの母親の夫だと疑っていた男ですが、彼はアフリカで鉱山事業を手がけているんです。どうやら彼の城はこの近くにあるみたいですよ。彼はアフリカの無冠の帝王だ。一度挨拶に行ってみるのもいいかもしれませんね」

手にしていた売上記録を置き、ネイサンは片眉を上げた。確かに、訪ねてみる価値はある。

それに、テディ・ジョーダンの一族についても調べておきたかったのだ。

ジョーダン家は東欧に拠点を置く、古く謎めいた一族だ。その歴史は数百年にも及び、ネイサンも若い頃からその名を耳にしていた。かつては、小説に描かれる伝説の吸血鬼の正体ではないかと疑ったことさ...