第550章

肝心なところに差し掛かろうとしたその時、運転手が突如として声を上げた。「ボス、前方のルートが濃霧のため封鎖されています。全車両、進路変更が必要です」

アンソニーの手はヒルダのアンダーショーツにかかっていた。まさに引き下ろそうとしていた矢先だったが、運転手の言葉に彼の体は硬直した。少しして身を起こしたアンソニーは、戦闘服を身に纏うと武器を手に取った。大口径のサブマシンガンだ。他にも様々な武器を装着し、最後にガスマスクを顔に被る。

その直後、アンソニーはヒルダにコートを放り投げた。彼女を抱き起こし、袖を通すのを手伝う。「一番近い出口からここを出るんだ。油断するなよ」

彼に抱えられた彼女は、ま...

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