第556章

もしかすると、晴れた日に葬儀を行うことにこだわったこの男こそが、本当のアンソニー・クラークだったのかもしれない。その暗く邪悪な魂の奥底には、秘められた美しさが隠されていたのだろうか。生き延びるためには魂を闇に染めるしかなかったが、心の深淵には、彼が必死に守り抜こうとした一筋の光を諦めきれない自分がいたようだ。

葬儀が終わると、墓標の下にはアンソニーの遺品である衣類だけが埋葬された。墓地に新しく掘られた墓の墓標に見える彼の若い顔は、荒涼とした寂しさと無力感を湛えていた。クラーク氏はそれを長い間、物思いに耽るように見つめ、静かに立ち去った。

その時、ヒルダが振り返ると、リナックスの姿があった。...

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