チャプター 588

その日、会社中の誰もが、オフィスから響き渡るレックスの絶望的な叫び声を耳にした。彼は愛犬のケーターと共に部屋に鍵をかけて立てこもり、犬を抱きしめながら泣き叫んでいたのだ。

誰も中に入ることは許されず、彼は誰の言葉にも耳を貸そうとしなかった。

仕事に追われている間に、まさかケーターがウンコを食べさせられるなどとは、夢にも思わなかったのだ!

ウンコだぞ!

彼が手塩にかけて育ててきた、愛しい毛むくじゃらの我が子が!

純血種の王の末裔が! 血統書付きの正真正銘のハスキーが! 高級ドッグフードを食べて育ったハスキーが!

抱きしめてキスをして一緒に眠り、一緒にお風呂にまで入る我が子が!

叩く...

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