第604章

ネイサンは、寄付金を山への道路補修に使ってほしいと僧侶に約束していたため、もう少しだけその場に残ることにした。年が明けたら、彼は山へ続く橋の手配をし、どんなに些細な助けにしかならないとしても、寺院の状況を改善しようと考えていた。

龍山の麓に到着すると、ネイサンはヒルダを連れ出し、他の山々の寺院にも参拝に行き、貧しい山間部の子供たちに衣服や文房具を寄付して回った。

道中、二人は資金不足の学校を探しては善行を施し、功徳を積んだ。結局のところ、ヒルダには金と夫以外、何も欠けているものはなかったのだから。

一通り巡り終えると、彼女の気分はずっと晴れやかになり、罪悪感もだいぶ薄れていた。こうして、...

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