チャプター 685

コニーは壁の外に目をやった。助けを乞う人々は、まるで都市を包囲するゾンビのようだった。壁の向こうはさながら煉獄だ。人々は罰を受けるために地獄へ送られた悪鬼(グール)のように見えた。

「感染者たちを入れて、治療を受けさせなさい」コニーはそう言ったが、その瞳は相変わらず冷たく、どこか遠くを見ているようだった。

リナックスは驚きを隠せなかったが、無言のまま頷いた。

コニーは付け加えた。「さっき治療薬の購入を打診してきた各国政府に連絡して……。薬は無償で提供すると伝えなさい。それから、薬の成分と製造法を一般に無料公開するのよ。製薬工場を残業させて、できる限り多くの治療薬を合成し、感染が最も深刻な...

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