第701章

家の前まで来ると、ヒルダはハスキーをそこに残し、自分の家へと戻っていった。

ケーターは彼女を家の中に誘い込み、自分の代わりに子守をさせようと目論んでいた。しかし残念なことに、ヒルダはその魂胆を見抜き、すぐさまきびすを返してしまった。ケーターは玄関先でうろうろとしながら、中に入るべきか、それとも仕事に行くべきか迷っていた。ペットショップに仕事に行けば、客たちに撫で回されたりつねられたりして、お尻が痛くなるのは目に見えている。

かといって会社へ警備に行こうにも、新しく来た二匹の獰猛なジャーマン・シェパードには到底敵わないと分かっていた。喧嘩を売るたびにボコボコにされるのが落ちなので、いっそ仕事...

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