チャプター 720

その時、ヒルダの瞳はキラキラと輝いていた。

(私にはもともと個人的な貯金があるし、それに加えて様々な投資先からの収入や株式配当も集まれば、これはかなりの金額になるわ! 資産を合計したら、もう億万長者じゃない!)

通帳に並ぶゼロの数が多すぎて、どこを見ればいいのかわからないほどだ。

一方、コニーの表情は冷徹さを帯び、ネイサンを鋭く睨みつけた。

二人は互いに敵意のこもった視線を交わし合う。

だが、ヒルダはお金に気を取られていて、そんな険悪な雰囲気には全く気づいていない様子だった。

資産という後ろ盾ができた今、彼女の中でのネイサンの評価は以前よりも上がり、素直に「ありがとう」という言葉が...

ログインして続きを読む