第857章

ネイサンとヒルダ、そしてカイルとソニアが相次いで会場に入ってきた。

ソニアは一目見て、自分たちの席がすり替えられていることに気づいた。

最前列にはサハラが我が物顔で座っており、彼らが到着しても席を譲る気配など微塵も見せず、くつろいでいた。

「あんたたち、やりすぎよ! そこはあなたたちが座るべき場所じゃないわ!」

ソニアは即座に席を取り返そうとした。彼女はサハラのもとへ大股で歩み寄ると、その席を指差して言い放った。「そこからどきなさい!」

一度激昂した彼女を止めることは、カイルにさえできなかった。

サハラは化粧ポーチを手に持ち、メイク直しをしていた。彼女はソニアに視線を向けることすら...

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