チャプター 930

同日、リナックスは軍の駐屯地の前に立ち、厳重に警備された正門を見つめていた。彼はそこで足を止め、それ以上先へ進もうとはしなかった。

「リナックス、どうして動かないの?」

今日、コニーは息子のリナックスを正式に連れてきて、二人の長老、マークとクレモン老人に会わせようとしていた。しかし、リナックスは施設の外に立ち尽くしたまま入ろうとしない。そのため、コニーは慌てて理由を尋ねたのだ。

「母さん、先に行ってて。僕は車で待ってるよ」

そう言うと、リナックスはきびすを返し、車に戻ってしまった。

コニーは息子が中に入りたがらない理由を察していた。彼女はため息をつき、「じゃあ、しばらく車で待ってなさ...

ログインして続きを読む