第965章

会話の途中で、コニーは唐突に立ち上がり、「あとは若い人たちでどうぞ」と言った。

彼女は冷ややかに背を向けた。階下に降りてきてから一言も発さず、ただ一言だけ言い捨てて去っていくその態度は、彼女の無関心さを如実に物語っていた。

(これが、ターディ市で娘を溺愛していると噂の女性か? 性格も見た目も、その評判とは似ても似つかないじゃないか!)

マイロは心の中で毒づいた。

去りゆく彼女の後ろ姿を目で追いながら、ジェロームはその背中の単純な曲線に、骨身に染みるような悲哀を感じ取った。(この女性は、一体何を嘆いているのだろう?)

三人はしばらくその場に座っていたが、誤解を解き、少しばかりビジネスの...

ログインして続きを読む