第5章
ブラインドの隙間から差し込む朝の光が顔を照らし、私は目を覚ました。昨夜の甘い余韻で、私の唇にはまだ笑みが浮かんでいた。勇弥の腕の中は、今まで知らなかった安心感を与えてくれた。まるで世界中のすべてを忘れられるかのようだった。
けたたましくスマホが鳴り響くまでは。
「泉美! ニュース、見た!?」笠美の声はパニックに満ちていた。
心臓がずしりと沈んだ。震える手でスマホを開くと、そこには血の気が引くような見出しが目に飛び込んできた。
【極道の頭、禁断の恋――相手は息子の元カノ】
写真は、勇弥のアパートの窓辺でキスをする私と彼の姿を、紛れもない鮮明さで写し出していた。
手から...
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