チャプター 151 チャプター 0151

ローマン視点

このチョコレートの山を、アリアはきっと喜んでくれるだろうな。テーブルの上にきちんと置かれたラブバスケットを眺めながら、俺はそう思った。

ソファに身を沈め、ぼんやりと肘掛けを手でなぞる。部屋は静まり返り、俺の腕時計がカチ、カチと静かに時を刻む音だけが聞こえていた。ローレンは数分前に玄関の応対に出て行った。たぶんテッサだろう、と彼女は言っていた。だが、もう五分以上経っている。

一体、何に手間取っているんだ?

もう一度腕時計を確認する。テッサが玄関先で少し長話をすることにしたのかもしれない。それでも、ローレンは立ち話で長引かせるようなタイプではない。特に、片付けなければならな...

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