チャプター 157 チャプター 0157

イーサン視点

「旦那様、すぐそこに病院がございますが、腕を診てもらうために寄りましょうか?」バックミラー越しに運転手が尋ねてきた。俺は後部座席で体を硬直させており、道路の揺れ一つ一つが新たな激痛を呼び覚ます。

「いや、主治医がもう家に向かっている。そこへ向かってくれ」なんとかそれだけを口にしたが、声は言葉を絞り出すようにこわばっていた。腕を貫く痛みは白熱した線となり、歯を食いしばるほど鋭かった。骨と腱を一緒にねじ上げられ、そのまま永遠にねじられ続けるような感覚だ。

「しかし旦那様、それまで持ちますでしょうか?」運転手は、そのプロフェッショナルな口調を崩し、ついに心配をにじませて再度尋ねて...

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