チャプター 18 チャプター 018

イーサン視点

俺は階段の最上段に立ち、滑らかな木の手すりを、指の関節が白くなるほど強く握りしめていた。ローザが家の中に戻ってくるのを見ていたが、もう荷物は持っていなかった。彼女は俺の顔をまともに見ようとはせず、恭しく一礼すると、そそくさと厨房へと戻っていった。廊下には痛いほどの静寂が残された。

俺は玄関のドアをじっと見つめ、待っていた……。それが再び開くのを、半ば期待しながら。もしかしたら、彼女は考え直すかもしれない。自分が何者で、どこに属しているのかを思い出し、後悔で顔を赤らめ、すがるような優しい目をして駆け戻ってくるかもしれない。一線を越えたと感じたときに、かつて俺に向けていたあの眼差...

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