第二十五章第二十五章

ローレン視点

ローマンが見つめている先を見て、私はようやく彼が例の言葉――冗談だろ――を口にした理由を理解した。彼の声に含まれていた信じられないという響きは、私たちの先にいるテーブルに座る女性に目を向けた瞬間に納得がいった。

「まあ、見つけるのは難しくなかったな」ローマンが、一言一句に皮肉をたっぷりと含ませて言った。

一瞬、私は何も言えなかった。舌が上顎に張り付いたようで、目の前の光景を言い表す言葉がまったく見つからない。眉間にぐっと力が入り、じんわりとした痛みが生まれるのを感じた。

エリザベス。

間近で、生身の彼女を見て、ローマンが固まった理由がわかった。彼女は私にそっくりだった―...

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