チャプター 229 チャプター 0229

エリザベス視点

手を差し伸べると、彼女の顔にあった満面の笑みが目の前でゆっくりと消えていくのが見えた。その変化の速さは、ほとんど滑稽なくらいだった。ついさっきまで、ローマンが何かを言ったせいで、彼女は小さな肩を震わせるほど大笑いしていたのに、その視線が私に移った瞬間、笑い声はぴたりと止んだ。完全に消え失せたのだ。

まるで私を品定めしているか、あるいはどのカテゴリーに入れるべきか見極めようとしているかのようなその眼差しに、私の手は気まずく宙を彷徨ったままだった。そしてそれは、子供が見知らぬ人に会ったときに見せる普通の躊躇いとは違う。いや。この子の反応には何か別のものがあった。まるで、もうすで...

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