チャプター 78 チャプター 078

ローレン視点

静まり返った部屋に、スーツケースのジッパーを閉める音が鋭く響いた。その金属的な摩擦音は、まるで終わりを告げる合図のように私の思考に割り込んでくる。それはドアが閉まる音、一つの章が終わりを告げる音、そして私が全く新しい何かへと足を踏み入れる音だった。ついさっきまで、私は落ち着かない心で天井を見つめていた。テッサが医者を呼ぶ必要はないとようやく自分を納得させ終えたところだった。

呼ばないでと、彼女に頼み込まなければならなかった。テッサは頑固で、その心配は一つ一つの仕草に刻み込まれていたけれど、最終的にはこの一件に関しては私に折れてくれた。少なくとも、それは小さな救いだった。今、彼...

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