第10章

三十分ほどして、松原南は目を覚ました。視線に、まだ少しだけ戸惑いが残っている。

ちょうど入ってきた医師と、目が合った。

「先生、私……どうしたんですか……?」

頭はまだくらくらする。こめかみを押さえようと手を上げた瞬間、手の甲にぴりっと小さな痛みが走った。

……点滴?

松原南は混乱したまま、頭痛をこらえて記憶をたぐる。

さっき、自分は食事を持って、クルミに届けようとしていて、それから――

それから、どうなったんだっけ。

眉をひそめた次の瞬間、はっとして隣を見た。

よかった。食事の入った容器は、ちゃんとそこにある。

松原南はほっと息をつき、改めて医師に向き直った。探るような...

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