第100章

松原南の胸の奥を、じんわりとした温かさが流れていく。唇の端には、偽りのない笑みがふわりと浮かんだ。

「いいよ。今の、ちゃんと言ったからね」

眉をつり上げて、彼女は続ける。

「その時は遠慮しないよ。……でも、この先ちょっと、手を貸してほしいことがあるかも」

その少し離れた場所――病室の窓の外を通りかかった男が、ふと足を止めた。涼やかで冷たい目元。眉間には薄く皺が寄っている。

……どこかで見た顔だ。

松原南とあんなに親しげにしている。いったい、どういう関係だ?

喉の奥に飲み込めない何かが引っかかり、胸の内でじりじりと燃え広がる。

窓の向こうでは、二人が何か可笑しい話でもしたのか、...

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