第11章

「何ですって?」

松原南は眉をひそめ、声を荒らげた。

「人違いじゃないんですか。私は誰かにお金を借りたことなんて一度もありませんし、こんな大金の借金を背負うはずもないでしょう!」

まさか、詐欺の電話――?

クルミの病気でどうしてもお金が必要だった時でさえ、闇金に手を出そうなどと考えたことはなかった。

なのに……なぜ。

電話の向こうの相手は、あからさまに苛立っていた。

「人違いじゃねえよ。おまえを探してんだ、松原のお嬢様。物忘れがひどいみてえだが、娘が一人いたよな?」

鼻で笑うような気配のあと、男は脅すように言い放つ。

「4日後までに、借金をきっちり用意しとけ。その時になった...

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